街の体温

“路地裏”とか“裏道”が好きなので
自転車に乗って時々知らない道をわざと通ってみたりする。



わりと街中から近いところに住んでいるけれど
一本裏に入ると
まだひと昔前の建物があったり
意外なお店を見つけたりする事がある。

人の匂いがする商店街での
挨拶や会話も、買い物の楽しみのひとつだ。


コンビニやスーパーは便利だし、なくてはならないものになっているけど
街の「顔」にはなれないと思う。


「いらっしゃいませ、こんにちは。」
というマニュアル通りの挨拶は薄っぺらくて気味が悪い。
(「いらっしゃいませ」と「こんにちは」は
本来ちがう種類の挨拶だよね。並べるのはおかしいと思う。
あれ、本当に苦手。)


つくづく街の印象を作るのは、そこに住んでいる人の
“温かさ”なんだよなぁ


最近は仕事場の近くの昔ながらの商店街で買い物をすることが
密かな楽しみになった。


パン屋のおばさんにオマケをもらったり、
肉屋のおじさんにおいしい料理法を教わったり・・・。

もしも今度引っ越すことがあったら、
「昔ながらの商店街」がある街に住もうと心に決めた。




大貫妙子 −都会