African Groove

そういえば、2010年の今年はW杯サッカー年。


開催国が南アフリカといことで、実は色々な意味で注目している。

週末、ブラック・ミュージックの歴史をDVDで見て
改めて音楽のもつ底力を目の当たりにしたけれど、
それ以前にアフリカン・アメリカンのパワーに圧倒された。
そのROOTSは“AFRICA”


今日、初めて見つけて聴いたのがこの曲

Letta Mbulu/what s wrong with groovin


レッタ・ムブルは初めて聴いたけど、ものすごいパワーを感じた。
ネイティブスピーカーじゃない人の英語も、こう堂々としてると気持ちがいい!
(英語の授業で、自分は発音がいいと勘違いしてて
得意げに英語の教科書を読みあげてた同級生を思い出した。
特に“th”の音!気になったなぁ。今では懐かしいけど。)


アメリカのTVドラマ「ROOTS」への出演で脚光を浴びた彼女は、
南アフリカ出身のソウルシンガー。
バカラックっぽいjazzyなムードからボッサに変わる都会的な曲なのに、
アフリカの匂いがしてくるところがスゴイ!
本当に母なる大地という感じだ。


“There's Music In The Air
空気の中にも音楽がある!という
かなりグッとくるタイトルの曲もみつけた。



アフリカには今まで一度だけ行ったことがある。
1996年。もう14年も前だけど、エジプトとケニアに。
エジプトはトランジットの関係でピラミッドを見ただけだったので、
ほとんどの旅程はケニアの国立公園だった。


ケニアはゾウの孤児院を作ったダフニ・シェルドリックさんのドキュメンタリ-をTVでみた事と、
大貫妙子さんの本を読んだのがきっかけで、
どうしても行きたかったのだ。


サバンナの地平線も、でこぼこ道のサファリも、気球から日の出をみたことも、
ずっと気球を追いかけて走っていたマサイの小さい男の子も、
ダートでパンクしたり、車の床が落ちたことも(!)
赤道の真上で水の渦が北半球側と南半球側では逆回りになる実験したことも(!!)
実は驚くほど涼しい事も、
ベランダに来たいたずらな猿も
ホテルの泥水のシャワーも
サバンナでであったシマウマの骨も
マサイ族の貧しい村の暮らしを見たことも、
キリマンジャロの頂上にうっすらと積もった雪も
陽気なドライバーのキタキンにジョセフ、家族思いの日本語ガイドのジョン・・・
全部がとても大切な思い出だ。

そして、旅行先でいつも思うことは
その土地で聴かれている音楽が、その場所には一番合う、
ということだ。



letta mbulu kilimanjaro



アフリカの音楽は、どちらかというとピンとこなかったけど
アフリカで聴いて初めて、わかった。
その土地の空気やvivesにピッタリなんだと。

(でも向こうで買ったCDは日本の空気にはちょっと合わず
・・・日本に帰ってからは全然聴いていない。笑)



アメリカに住んでいる、アフリカン・アメリカンの音楽にも
“アフリカの記憶”が血のように脈打っているように感じる。
きっとDNAには音楽のリズムやgrooveが土地の記憶として入ってるんじゃないかと思う。

きっとそこには美しいものだけではなく、
苦くて辛い記憶も一緒に入っているような気がする。


だからこそ、私はブラック・ミュージックに強く惹かれるんだと思った。



南アフリカアパルトヘイトを撤廃し
ワールド・カップの招致ができるほどになったことは
とても喜ばしいことだと思う。

(これは余談だが、リチャード・アッテンボロー監督の南アフリカが舞台の映画“遠い夜明け”にはかなり強い衝撃を受けた。
たくさんの人に見てもらって、アパルトヘイトの歴史を知ってもらいたいと思う。
それにしてもマルコムXにしろ、このスティーブ・ビコにしろ
デンゼル・ワシントンは勇気と知性のあるリーダーの役に本当にピッタリだと思う。)


6月のサッカー中継が楽しみだ。
平和な南アフリカをこの目で見てみたい。

でも時差だけが心配。起きていられるかな?